申告が漏れると加算税と延滞税がかかります

■贈与税のペナルティの概要


110万円を越える贈与を受けた場合、贈与税の申告と納付が必要となります。

贈与でもらったことは分かっていたんだけど、馴染みがなく、申告と納付を具体的にどうしたらいいか分からずに放置していた方も多いのではないのでしょうか?


暦年贈与の場合、所得税の申告期限と同じように贈与を受けた翌年の3月15日が申告期限となります。


実は、申告期限内に贈与税の申告と納付を行わなかった方、または、申告はしたけれども税金を少なく申告・納付してしまった方には延滞税と加算税というペナルティが課せられます。今回は具体的にどのような罰則が課せられるか、ケースごとに場合分けして説明していきます。


心配な方はここでご自身の状況を把握して、早めに解決していきましょう!

 

■申告を忘れていた場合(善意の場合)


申告期限内に申告を行うことができなかった方は、『無申告加算税』が課されます。

ペナルティとして支払うべき額は次のようにして求めます。


『無申告加算税』=本税×5%〜20%

※この本税っていうのは、本来払わなければいけなった贈与税のことですね。

※過去5年以内に贈与税で無申告加算税or重加算税を課された場合に適用される税率


どの年の贈与に関する申告か、税務調査の前に対応したかどうかで税率が変わりますので、まずはご自身がどのタイミングに該当するかご確認ください。


また、表の中で出てくる「事前通知」というのは、簡単に言うと税務署から「お宅に税務調査に入りますよ」っていう連絡が来ることを言います。「事前通知〜税務調査」と「税務調査後」で税率が異なることがお分かりいただけるかと思います。

ですので、万が一税務署から調査の連絡があった場合には、調査の前に急いで申告書を提出して贈与税を納付すれば、税務調査後に対応するよりも加算税の負担を少なくすることができるわけです!


税務署から連絡があって、贈与税の申告が漏れてる心配がある方は、すぐに税理士にご相談ください。

 

■申告をしなかった場合(悪意の場合)


必要性を理解しながら意図的に申告を行わず、悪質な場合は、先ほどの無申告加算税より重い、『重加算税』が課されます。


『重加算税』=本税×35%〜50%


悪質の場合、非常に重いペナルティになります。

節税はあくまでも合法的に進めていきましょう。

 

■申告額が少なかった場合

 

期限までに納付を行っていたのに、事情により申告額が間違っていて、少なく納付を行っていた場合には、『過少申告加算税』が課されます。


『過少申告加算税』=追加納付額×5%〜15%

この追加納付額っていうのは、追加で支払った(当初の申告で足りなかった)贈与税のことですね。

■申告期限までに納付が間に合わなかった場合

 

上記で説明した加算税以外に、申告期限に間に合わなかった場合には、遅れた期間に応じて、延滞税も払わなくてはいけません。


こちらは、例えば、TSUTAYAでレンタルして返却予定日に間に合わなかった場合に延滞日数に応じて支払う延滞料金というようなイメージのようなものでしょうか。


具体的な計算方法は次のとおりです。


『延滞税』=日数×税率

※日数・・・本来の納付期限の翌日(贈与を受けた年の翌年3月16日)から実際納付日までの日数


※税率・・・納税までの期間に応じて異なります。

・申告書の提出日の翌日〜2カ月以内:年2.6%

・申告書の提出日の翌日〜2カ月以後:年8.9%

注)上記税率は、平成30年1月1日〜平成30年12月31日を前提としています。

  期間により税率が異なるので、詳しくは国税庁のHPを確認してください。

 

■申告期限を過ぎてしまってお悩みの方へ

 

さて、各状況別にペナルティの税率を確認しましたが、いかがでしたか?

状況ごとに応じて適用される税率が細かく設定されており、非常に分かりにくいというのが正直な感想ではないでしょうか。


このペナルティは納税者が自分自身で計算するというものではありません。

税務署の方で行った計算の結果に基づき通知が来て、通知書に基づいて納税を行います。


なんらかの事情で申告期限、納税期限が過ぎてしまった場合でも、時効が経過していなければ期限後申告を行うことができます。


>>贈与税の時効についてはこちら


期限が過ぎてしまった場合、いずれのケースにおいても、早めに申告・納付する方がペナルティは安く済むということはお分かりいただけたかと思います。


ご不安な方は税理士に早めにご相談のうえ、期限後申告の手続きを進めましょう。