贈与税申告書の書き方(見本付き)

通常の贈与税(暦年課税)の計算方法については、こちらのページで別途詳しく説明しています。

 

今回は、暦年課税の贈与税申告書の書き方を見本付きでご紹介します。

なお、暦年課税のみを申告する方は「第一表」のみを、相続時精算課税のみを申告する方は「第一表」及び「第二表」を使用します。今回は暦年課税の申告書の書き方のお話ですので、「第一表」ですね。

 

■暦年課税の贈与税申告書の書き方(特例税率の場合)

 

祖父母や父母などの直系尊属から、20歳以上の子・孫などへの贈与の場合、この贈与財産を「特例贈与財産」といいます。この後で説明する一般税率の場合よりも有利な「特例税率」が適用されます。 「特例税率」の場合の申告書の書き方は以下の通りです。

 

事例で見ていきましょう。

 

私、国税壮太朗(昭和55年9月25日生れ、会社員)は、祖父である国税一郎(昭和4年11月3日生れ)から、平成29年9月19日に、現金500万円の贈与を受けました。ちなみに私は平成28年にも祖父から贈与を受けています。

 

贈与税は以下のように計算します。

 

(500万円-110万円)×15%-10万円=48万5千円

 

申告書は以下のように作成します。

 

水色の部分が記入部分です。

「所在場所等」はお金のあった場所なので、この場合は祖父の住所となっています。

 

 

※なお、特例税率を適用するためには、受贈者の戸籍謄本又は抄本その他の書類でその人の氏名、生年月日及びその人が贈与者の子や孫などに該当することを証明する書類を提出する必要があります。ただし、過去の年分の贈与においてこれらの書類を提出している場合には、この書類を重ねて提出する必要はありません。

 

■暦年課税の贈与税申告書の書き方(特例税率と一般税率の併用の場合)

 

夫婦間、兄弟間、親子間(子が20歳未満の場合)の贈与などの場合(特例税率に該当しない場合)、特例税率より不利な「一般税率」により贈与税が計算されます。

 

事例で見ていきましょう。

 

私、甲野修(昭和42年5月24日生れ、自営業)は、母である甲野花子(昭和16年11月4日生れ)から、平成29年9月28日に、現金300万円の贈与を受けました。こちらは特例税率が適用できます。また、兄である甲野武(昭和40年12月24日生れ)から、平成29年1月13日○○株式会社(上場会社)の株式(単価=3,000円)を500株(合計150万円)の贈与を受けています。兄からの贈与は特例税率は適用できず、一般税率となります。ちなみに私は過去に母からの贈与で特例税率の適用を受けたことはありません。

 

贈与税は以下の通り計算します。

  

①特例贈与財産の金額=300万円

②一般贈与財産の金額=150万円

③贈与額の合計額=450万円

④450万円-110万円=340万円

⑤④に特例税率を適用した場合=340万円×15%-10万円=41万円

⑥特例贈与財産に対応する金額=⑤×①/③=273,333円

⑦④に一般税率を適用した場合=340万円×20%-25万円=43万円

⑧一般贈与財産に対応する金額=⑦×②/③=143,333円

⑨贈与税額=⑥+⑧=416,666円→416,600円(百円未満切捨)

 

申告書は以下のように作成します。

 

水色の文字が記入部分です。